池田草庵 紹介
池田(いけだ)草庵(そうあん)(1813〜1878)
池田草庵は八鹿町宿南に生まれ、青年期に京都で独学にひとしい姿で儒学を修めました。
天保14年(1843)郷党に迎えられて八鹿村(八鹿町)に立誠舎を開き、弘化4年(1847)、宿南村(八鹿町)に移り青谿書院を創設し、全国から集まった多くの門人を教えました。
草庵は門人たちと起居をともにし、自らの実践により門人たちを教育しました。草庵は「独りを慎む」(自分がひとりでいるときでも心を正しくもち、行いを慎む)を重んじ、学問を深めるために常に静座を行いました。門人たちもしばしば静座で反省を教えられました。このように、身をもって範を示す草庵の教育を受けた門人たちは、明治期の日本で輝かしい業績を残しています。
農家出身の門人には「生野の変」に参加し、維新後、新政府の要職に就いた北垣国道、経済界で活躍した原六郎らがいます。
また、草庵は豊岡藩校稽古堂にも招かれ、講義を行っています。同藩からは、浜尾新、久保田譲、吉村寅太郎ら、わが国近代教育制度の基礎づくりに携わった人などが現れました。
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